森友学園をめぐる決裁文書改ざんで、国民の厳しい目が注がれている財務省の事務方トップに、「セクハラ疑惑」が飛び出した。福田淳一事務次官(59)が、自宅近くのバーに担当の女性記者を呼び出し、「おっぱい触っていい?」「エロくないね、洋服」などのセクハラ発言を繰り返していたと、12日発売の「週刊新潮」が報じた。

 福田氏は妻帯者。同誌によると、福田氏は、森友問題などに関して女性記者の質問に答える間、ほかにも「抱きしめていい?」「浮気しようね」「手しばっていい?」などの発言を連発。この記者以外にも、同様の目に遭ったと訴える複数の女性記者の発言が掲載されたほか、同省職員の話として「被害者の会ができるんじゃないですか」との声があると紹介されている。

 麻生太郎財務相は12日の参院財政金融委員会で、福田氏から「私的な立場でいろいろな相手といろいろな会話をしており、ひとつひとつのやりとりは定かではない」「(記事については)確認しようがない」と釈明されたことを明かした。今後は「誤解を受けないよう気をつけたい」との認識を示したといい、麻生氏は「今置かれている状況を考え、もう少し緊張感をもって行動せないかん」と注意したという。一方で、処分はしない考えを示した。

 一方、野党はセクハラ疑惑以外の記事内容も、問題視。記事によると福田氏は、「おれは今、暇だから」と話したとされる。森友問題で、省内が激震のさなか、財務省トップとして危機感がないと厳しい声もある。野党の党首からは、「恥ずかしい話で、本人が出処進退を考えるべき」(民進党の大塚耕平代表)「官僚トップとしてあるまじきことで、言語道断。直ちに罷免されるべきだ」(共産党の志位和夫委員長)との批判が出ており、麻生氏に対しても今後、更迭を求める方針だ。

 「最強官庁」のスキャンダルは、止まる気配がない。