神奈川県内を走行中の東京発大阪行きの東海道新幹線のぞみ265号(16両編成)で9日、男がなたで乗客を襲い、3人が殺傷される事件があり、神奈川県警は10日、殺害されたのは兵庫県尼崎市の会社員梅田耕太郎さん(38)と発表した。26歳と27歳の女性が軽傷を負った。県警によると、女性の1人は梅田さんについて「止めに入ってくれた」と話している。殺人未遂容疑で現行犯逮捕された無職小島一朗容疑者(22)は「誰でもよかった」などと供述。県警は11日に殺人容疑に切り替えて送検する。

 事件が起きたのぞみ265号の車内では身を守るために座席のシート部分を持って逃げる人の姿が見られた。事件後の車両にもシートが取り外された席が複数あった。事件発生時、車掌から「座面を取り外して、いざという時は盾にして」との案内があったとの情報もある。JR東海によると、東海道新幹線の座席のシートは、上に引っ張り上げれば外れる。本来は「飲み物をこぼすなど座席が汚れた時の清掃のため」だといい、乗務員や清掃作業員が短時間で交換できるように、予備シートも積んであるという。