18日午前7時58分ごろ、大阪府北部で震度6弱の地震があり、4人が死亡、330人以上が負傷した。地震の規模はマグニチュード(M)6・1と推定される。大阪府で震度6弱を観測したのは観測態勢が整った1923年(大12)1月以降、初めて。深さ13キロと浅い地下で起こった直下型地震で、関西地方は交通機関がストップし、停電も相次ぐなど都市機能がまひ。1000万人以上が大混乱した。

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 朝まで全米オープンゴルフをテレビ観戦。眠りについた瞬間、激しい揺れで起こされた。住んでいるのは、95年の阪神・淡路大震災で大被害を受けた場所に建ったマンション。「またか」。悪夢がよみがえる。以来、自宅に大きな棚は寝室に置いていない。マンションのきしむ音が消えた後、カーテンを開けた。

 95年は地元神戸で取材にあたった。11年の東日本大震災時は東京で社会面デスクだった。学んだのは「余震に注意」「現状を把握する」の2点。とにかく会社に行かなければならないが、まずは風呂に水を張り、備えをしてから出勤手段を考える。ふだん何も考えずに利用している電車が止まると都会がマヒしてしまうのは11年に東京で経験済み。慌ててタクシーに乗ると、いつ着くか分からない。自宅から見える国道2号は渋滞の列だ。

 神戸と大阪を結ぶ鉄道路線はJR、阪神、阪急の3つで、ふだんはJRを利用しているが、最初に動くのは路線距離が最も短い阪神だろうと確信していたので、阪神の駅で「張り込み」。約1時間後に動き始めた電車に乗ることができた。幸いにもネット環境は遮断されていなかったので、その1時間は情報収集と同僚とのやりとりで、あっという間に過ぎた。ほんの少しではあるが、経験が生きた。【西日本報道部長・高木茂久】