今月24日の2020年東京五輪(オリンピック)の開幕2年前に先立ち17日、競技会場や選手村の建設現場が報道陣に公開された。この日は東京都が整備する恒設会場が見学コースだった。

 葛西臨海公園に隣接するカヌー(スラローム)会場(江戸川区)の工事進捗(しんちょく)状況は38%。カヌーが進行するコースの形状が目視できる状態で、大会が徐々に近づいてきている実感がわいた。

 16年に小池百合子知事が就任後、会場変更問題で揺れたボート、カヌー(スプリント)を実施する海の森水上競技場(江東区青海3丁目地先)は同42%までできあがっている。艇庫やゴール地点に建設している「フィニッシュタワー」も骨組みが確認できた。しかし、目視だと、もともとあった水路とあまり印象は変わらず、五輪会場という実感はわかなかった。

 バレーボールが行われる有明アリーナ(江東区)は同21%。上階に行くにつれ建物の輪郭が広がる特徴的なデザインの一部が確認できた。

 水泳が行われる五輪水泳センター(江東区)は同35%。約6000トンもある巨大な屋根を37メートルの高さまでリフトアップさせる段階に差し掛かっていた。今月中に残りの15メートルを上げる予定。今月末にはプール自体の掘削工事を開始する。ただ、土壌に水銀、鉛などの汚染物質が見つかり、除去に時間がかかったため、完成は2カ月遅れ、20年2月となった。

 最後に訪れたのは晴海の選手村(中央区)で40%の進捗(しんちょく)状況だという。19年末には選手らの宿泊棟が完成し、20年春頃には大会組織委員会が整備する食堂や各種店舗が入るビレッジプラザも完成する予定だという。