参院選の「1票の格差」是正に関し、定数を6増やす自民党提案の公選法改正案は18日の衆院本会議で与党の賛成多数で可決、成立した。

 同改正法では、比例代表の一部の「特定枠」が、合区対象県で選挙区に出馬できない自民党候補の「救済枠」になることから、野党は自民の「党利党略」法案と批判した。

 国会改革に向けた議論を、超党派の会議などを通じて主導している自民党の小泉進次郎筆頭副幹事長の対応が注目されたが、進次郎氏は賛成票を投じた。その際、立憲民主党など野党席から、「え~」などとブーイングが起きた。

 進次郎氏は本会議後の取材に、「今回は私だけでなく、党内の多くの議員がいろんな思いを持っている。特に衆議院は」「議院内閣制の中、党の決定と個人の思い。そういう中の葛藤は常にある」と、葛藤があったことを認めた。その上で、「自民党議員の1人として、党の決定に従って賛成票を投じたが、あらためて国会改革をやらないといけないという決意を新たにする意味での賛成票だった」と、説明した。

 野党のブーイングについては「光栄ですね。いろんな議員が賛成票を投じた中、私だけにブーイングというのは、名誉なブーイングだと思います」と話した。

 進次郎氏は、同法案が自民党内で了承された今年6月の会議で、「森友、加計問題で結論が出せていない中、こういうこと(議席増)にはすぐ結論を出す。国民にどう映るか心配だ」などと、異論を述べていた。

 この日は、その時の議論を振り返り、「採決までには党内でいろんな議論があり、私も思いを言わせてもらった。なぜこんな改革制度になるのか、原因をたどれば、衆参のあり方、二院制のあり方を根本から話してこなかったことが一因」と指摘。「最終的に、私の中で、さあ国会を変えようと、自分の思いを言った。そういう意味での賛成だ」と述べた。

 一方、法案の内容に疑問を示していた自民党のベテラン船田元衆院議員は、採決の前に議場を出て、棄権した。