自民党総裁選(9月7日告示、20日投開票)に出馬する石破茂・元幹事長(61)が、日刊スポーツのインタビューに応じた。(聞き手=中山知子)

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 -小泉進次郎筆頭副幹事長への支持働きかけは

 石破氏 小泉さんは存在感があり、もう若手の幹部です。手練手管を使って(働きかけて)どうするんだと思う。安倍さんが示す日本図と政治のやり方、私が示す日本図と政治のやり方。そのどちらに賛同するかでしょうね。今まで彼といっしょに仕事をしてきた。そういうこと(連絡)ができないわけではないが、手練手管で支持してほしいという話ではありません。

 -夏の高校野球は

 石破氏 見ているひまはなかったね。

 -インスタグラムには、猫を抱いた写真が

 石破氏 猫カフェにいって、石破に猫がなつくかどうかという雑誌の特集で(撮影した)。猫がわらいました。

 -猫にはなつかれる

 石破氏 そうですねー。なぜでしょう(笑い)。

 -験担ぎはしますか

 石破氏 しません。普段通りです。

 -総理は夏休みの期間、ゴルフをしていました

 石破氏 私はやらなくなって何年になるかな。12~13年、していない。86年7月7日の衆院選で当選し、29歳で議員になった。2、3日後、友人と早朝ゴルフに行くと、「石破さんもいい身分だね。もうゴルフかい」と言われたことがありました。そのひとことが、すごく響いた。地元鳥取では休みの時、パブリックで自分で担いでいくから当時、3000円くらいでできた。40前半で回れていたこともある。でも、少なくとも半日かかる。その時間があったら、どこか地方にいけるよねと思います。総理がリフレッシュでゴルフをすることは、まったく否定しません。それで元気になって国政にまい進してくれれば、日本のためだと思います。

 -理想の総理像は

 石破氏 田中角栄首相がいなければ、今の自分はない。政治家になるつもりはまったくありませんでしたが、父の葬儀委員長をやっていただき、君が衆院議員になれと言われ、ひっくり返るほど驚いた。あの人は人ではない、「神」だからね。本当に報いを求めない。頭のよさも判断力もずばぬけていた。ロッキード選挙の時、田中派の議員に「自分は田中派だが、田中派は許せないと言って当選してこい」と。そんな度量があった。竹下登さんは、あそこまで忍耐に忍耐を重ね、あんなに気配りができる人はいなかった。

 お仕えした総理では、小泉純一郎さんは、本当に天才。私は小泉さんと徹底的に対立していましたが、突如として私を防衛庁長官にすると。人の好き嫌いは関係なく、だれをどう使うことが日本のためになるか。そんな判断ができた方でした。橋本龍太郎さんは本当にチャーミングな方。小渕恵三さんは、国のために命をかけた。福田康夫さんは上司にするならこの人と思いました。半歩でも近づけたらいいなと思いますが、なかなか難しい。

 -気分転換は。キャンディーズなど70年代アイドルを聴いたりすることは

 石破氏 ないですね。ただ、一瞬だけ、昔のフォークやアイドルもののCDを聴く時かな。テレビは見なくなりましたがNHKのアーカイブスやアマゾンプライムで、昔の映画が見られる。1日に15分だけ、映画のさわりだけ見ると、ふっと日常のいやなこと満載を忘れるというか。そういうところはありますよね。