「スポーツと農業は、けして無縁ではありません」

自民党の農産物輸出促進対策委員長を務める小泉進次郎筆頭副幹事長は8月31日、長野県伊那市のJA上伊那で講演し、2020年東京五輪(オリンピック)・パラリンピックの開催が、日本の農業の“世界進出”に向けたチャンスの位置づけになるとの認識を示した。

「2020大会で、オリパラ史上初めての事が起きる。しかも農業が深く関わっている」と指摘。選手村で選手に提供される食材について、初めて食品の産地表示が可能になることを、アピールした。

進次郎氏は「平昌(ピョンチャン)や、リオデジャネイロでも、産地表示は不可能だった。今回、日本は日本農業の振興も含め、IOCと交渉した」とした上で「選手は世界中から来る。これが長野の米、フルーツだと選手村で表示できれば、『あの時おいしかった』というファンが増えるかもしれない。こんなチャンスはない。世界中に日本の農業が知られることは、けして不可能なことではない」と呼びかけた。

産地表示品を提供するには、「GAP(農業生産工程管理)」という資格を取得する必要がある。今後、GAP取得を促進させるための指導員を全国で増員する計画として、「(現在の)指導員の数788人を1000人に伸ばしたい。取得の環境を整えるため、9月上旬に、都道府県ごとの取り組みに向けたサイトを農水省でもつくる」と訴えた。

その上で、「人生100年時代では、健康と食とスポーツはすべて成長分野だ。この中核は農業が支えている」と呼びかけた。

また、日本の農林水産物の輸出促進強化に向けた「グローバル・ファーマーズ・プロジェクト(GFP)」をこの日から、本格始動させた。進次郎氏らは、耕作放棄地をオーガニックの田んぼに変えてコメを栽培し、ハワイやニューヨークなどに輸出している伊那市の「Wakka AGRI(ワッカアグリ)」を、GFPの登録第1号とするセレモニーに参加。同地の視察も行った。