自民党総裁選(20日投開票)で、石破茂元幹事長(61)の妻佳子(よしこ)さんが、自ら動画に出演し、夫への支援を呼びかけている。佳子さんが、選挙以外で公の場に出る機会は少なく、異例の“顔見せ”。国会議員票で安倍晋三首相に水をあけられ、党員票での支持拡大を目指す中、夫のために一肌脱いだ形だ。

夫人の動画は10日、石破氏の総裁選特設サイトに登場。「石破茂は国のため、一生懸命力を尽くしたいと思っています。頑張ってまいります」と訴えている。石破夫妻は当初、夫人の動画に消極的だったが、動画発信を重視する陣営が、広報戦略の一環で要請。石破氏のツイッターでも公開され、公開1日でリツイートが約1500件。陣営は「反響は大きい」と話す。

清楚(せいそ)な雰囲気の佳子さん。石破氏と慶大法学部の同級生で、ドイツ語クラスで出会った。当時から美人で男子学生のあこがれだった佳子さんに石破氏が一目ぼれし、猛アタック。今年で結婚35年だ。

夫婦二人三脚の総裁選。首相のロシア訪問で論戦は中断し、石破氏は11日、兵庫、大阪で演説した。大阪・なんばでは「安倍さんと2人でここに立ちたかった。日本をどうするか、広く国民に聞いてもらうのが総裁選のはず。こんな不可思議な総裁選はあってはならない」と、首相の外遊を挟んだ日程を疑問視。今回は恒例の東京、大阪での候補者街頭演説も見送られ、疑問の声が広がっている。

大阪のおばちゃんに「美女4人と写真撮ってや~」と人気だった石破氏。孤独な戦いは、女性のパワーにも後押しされている。【中山知子、松浦隆司】