史上最年少プロ棋士、藤井聡太七段(16)が31日、大阪市の関西将棋会館で指された第90期棋聖戦1次予選決勝で、今泉健司四段(45)を破り、2次予選に進出した。午前中には準決勝で村田顕弘六段(32)を破り、1日2勝を挙げた。通算成績は97勝17敗。通算100勝まであと3勝と迫った。

今泉は14年、プロ編入試験に合格し、戦後最年長の41歳で会社員から転身した異色棋士。藤井は14歳2カ月で史上最年少でプロ入りした。注目の一戦は藤井が持ち前の終盤力で相手を投了に追い込んだ。

熱戦を制した藤井は「こちらの攻めがつながるかどうかという将棋でした。難しい将棋でした」と振り返った。7月に放送された第68回NHK杯トーナメント1回戦で、藤井は今泉に敗れている。2度目の対戦でリベンジした。

今泉は「内容的には完敗でした。それなりに経験もあったので中盤をもう少しやりたかった。やってもみじめになりそうだった。残念な投了でした」と悔しさをにじませた。

同棋戦では昨年は1次予選で敗退した藤井は「去年より1つ上に進むことができたので、ここから一局でも多く指せるように頑張りたいなと思います」と語った。

豊島将之棋聖(28)への挑戦権を獲得するには、2次予選を勝ち抜き、シード棋士を含む16人による決勝トーナメントを勝ち抜くことが必要となる。