会社法違反(特別背任)などで起訴された、日産自動車の前会長カルロス・ゴーン容疑者(65)が4日、オマーンの代理店側に日産の資金を不正送金した会社法違反(特別背任)容疑で、東京地検特捜部に4度目の逮捕をされたことを受けて、弁護団の弘中惇一郎弁護士(73)と小佐々奨弁護士が同日午後、都内の日本外国特派員協会で会見を開いた。弘中弁護士は、今回のオマーンに関する疑惑について「今回は最後の切り札…検察官が、その先に何かを出来るとは思っていない」と検察にとって、最後の勝負に出たとの見方を示した。

今回の4度目の逮捕の容疑は、オマーンの代理店に12年以降、日産CEOだった同容疑者が使途を決めていた「CEO積立金」から毎年数億円、計5億円が奨励金名目で支払われていた疑い。代理店幹部の銀行の個人口座からは、自身が代表を務めるレバノンの投資会社を通じゴーン容疑者の妻が代表の会社に資金が流れ、一部がクルーザーの購入などに充てられた疑いや、同被告の息子がCEOを務める米国の投資会社に渡った疑いも浮上している。

弘中弁護士は、疑惑について報じられたニュースを見たゴーン被告が「きっぱりと否定した」と明らかにした。そして「資料がないので細かいことは分かりませんが、報道されたことは否定しています」と繰り返した。

このタイミングで逮捕になったのはなぜかと聞かれると「検察官とのこれまでのやりとりからすると、オマーンの件の何らかの捜査をして、何らかのものが手に入った。遅れて今回のタイミングになったのではと想像する」と分析した。

今後の見通しについては「まず検察官が、おそらく明日、勾留の請求をするので、反対の申し立てをする。勾留が仮に通った場合は準抗告もする。通らなかったら10日、勾留される。それがダメならトータル20日勾留され、起訴されれば自動的に勾留が続く。我々はただちに保釈を申請する。裁判官に理解を得て、早期に解放したい」と説明した。【村上幸将】