平成の将棋界を振り返る「棋才(きさい) 平成の歩(あゆみ)」が29日、東京都内のホテルで行われた。

イベントには、谷川浩司九段(57)羽生善治九段(48)佐藤康光九段(49)森内俊之九段(48)渡辺明棋王・王将(35)藤井聡太七段(16)清水市代女流六段(50)里見香奈女流四冠(27)と、平成時代を彩った棋士が出演した。

用意した730席は、事前に完売。ファンの関心の高さがうかがえた。95年の阪神・淡路大震災チャリティーイベント、07年の渡辺対将棋ソフト「ボナンザ」、11年の東日本大震災チャリティー・イベントなど、過去に数々の企画はあったが、これほど大々的にファンが集まったのは初めて。

第1部では谷川、羽生、佐藤、森内、渡辺、清水が「平成を振り返る」などをテーマにトークショーを行った。

第2部の「チーム対抗リレー将棋」では、渡辺・里見チームに藤井が加わった。初めてという和服姿で登場。都内の呉服店でレンタルしたという。「そうそうたるメンバーの中に入って緊張しています」と話した。振り飛車党の里見に「戦いは振り飛車で」と、むちゃぶりされた。「ほとんど指したことがない」という四間飛車を採用し、佐藤・森内・清水組と対戦。羽生と谷川が初めてコンビを組んで解説という、豪華な取り合わせとなった。対局は佐藤・森内・清水組が勝利した。

第3部のトークショーでは、平成生まれの藤井と里見が登場。羽生から藤井に「28連勝の記録更新をいつごろから手応えを感じたか?」と質問された。藤井は「20連勝目で勢いがついた」と振り返った。また、理想の棋士像について「これからどれだけ強くなれるかが大切。いい将棋を指して面白さを知ってもらいたい」と話した。

来るべき令和時代、今度和服姿を見られるのはタイトル戦に初登場する時かもしれない。