探査機はやぶさ2が、小惑星「りゅうぐう」へ向けて28日から再降下を行うことを宇宙航空研究開発機構(JAXA)が22日、発表した。はやぶさ2は16日、高度20キロから降下中に高度50メートルで異常を検知したため自律で緊急上昇した。そのため、高度10メートルで分離させて着陸目標となるターゲットマーカー(TM)を投下できなかった。

緊急上昇の原因は高度値異常を検知したもので「ノイズデータ混入による想定の範囲内。原因の特定に半日も要しなかった」と津田雄一JAXA准教授は解説した。探査機本体に問題はなく、対応策も終えた。その一方で貴重なデータをゲットした。上昇時に目標付近の高解像度の画像を撮影していた。「たまたま映っていた。計算できていたら格好良かったですが(笑い)」(津田氏)と想定外の副産物に口元を緩めた。

詳細画像を得られたことで6月中旬まで残り2回のTM投入は、りゅうぐう表面に世界で初めて形成させた人工クレーターがある「CO1エリア」に決定した。これまでは情報量豊富な「S01エリア」が有力視されていたが、世界初の人工クレーター着陸を目指すことになった。【大上悟】