川崎市多摩区登戸新町の小田急線登戸駅周辺で28日午前7時40分ごろ、同区の私立カリタス小学校のスクールバスを待っていた児童ら19人が刃物を持った男に次々と刺され、小学6年の栗林華子さん（11）と別の児童の父親の小山智史さん（39）が死亡した。

小学校を運営するカリタス学園が同日夕方、会見を開いた。会見に登壇した斎藤哲郎理事長は「小学校の児童18名が被害に遭い、そのうち1人が残念ながら亡くなりました。また、子供を送ってきていた保護者の中で2人が被害に遭い、おひとりが亡くなりました。この何とも言えない蛮行において、落ち度のない子どもたち、愛情深く育んでこられた保護者が被害に遭われたことは、怒りのやり場がなく痛恨の極みです」と沈痛な表情で語った。その上で「ご冥福を心からお祈りするとともに、被害者の1日も早い回復、保護者に寄り添い乗り越えていきたい」と語った。

今後については「現場にいた子どもたちもたくさんおります。心の傷を深く負っていると思います。これからも子どもたちの安全の確保はもとより、心のケアに万全を尽くしたいと思います。専門家の方のご意見も伺い始めております」と説明した。

会見には小学校の内藤貞子（ていこ）校長、小学校の倭文覚（しとり・さとる）教頭、法人本部の高松広明事務局長が出席した。【村上幸将】

◆カリタス小学校　1960年（昭35）に設立されたキリスト教カトリック系のミッションスクールで、幼稚園、中高、短大もある。母体はカナダ・ケベック州の「ケベック・カリタス修道女会」で「カリタス」はラテン語の「愛」の意味。中学以上は女子校だが小学校は男女共学で、電車とバスを乗り継いで通学する児童も多いという。教職員52人、生徒648人。川崎市多摩区中野島。