川崎市多摩区登戸新町の小田急線登戸駅周辺で28日午前7時40分ごろ、同区の私立カリタス小学校のスクールバスを待っていた児童ら19人が刃物を持った男に次々と刺され、小学6年の栗林華子さん(11)と別の児童の父親の小山智史さん(39)が死亡した。

小学校を運営するカリタス学園が同日夕方、会見を開いた。小学校の内藤貞子(ていこ)校長は、亡くなった栗林さんについて聞かれると「毎朝、学校の前に立っていますけど『おはよう』と声をかけると彼女は笑顔いっぱいで『おはようございます』と返してくれるお子さん。信じられない。今日も元気なあいさつを聞けるかなと思っていた」と、哀しみで声を震わせた。

内藤校長は、スクールバスの状況について「登戸駅の多摩川口からスクールバスを出しています。ピストン輸送で7時25分から8本」と説明。その上で、事件当日の状況について「5本目までは普通に運行していました。(児童が)6本目に乗り込んだ時、男が学校側のコンビニから刃物を両手に、子供を次々、切り付けました」と明らかにした。

その上で、今後の学校の対応について「小学校、幼稚園は31日まで、中高は明日、休校。6月の中学生の宿泊行事は中止。登下校の教員の見守り体制を強化し、警備員も増加する」と説明。「学校として出来うる限りを尽くして、子どもたちを守っていきたいと考えています」と声を大にした。【村上幸将】