将棋の最年少プロ、藤井聡太七段が渡辺明王将(棋王・棋聖=35)への挑戦権獲得へ1歩、前進した。第69期大阪王将杯王将戦2次予選1回戦が18日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われ、佐藤康光九段(49)を下した。

16歳最後の日の公式戦は、日本将棋連盟会長との初顔合わせ。「コンピューターが1秒間に1億手読むのなら、1億と3手読む男」と称される緻密な読みで、名人2期など計13期もタイトルを獲得してきた。そんな実力者との激戦を制した。

「バランスを取るのが難しい将棋だった。最後、自玉に詰みはないと思った」と、藤井は振り返る。19日の17歳の誕生日の前祝いとなったが、「(誕生日のことは)あんまり考えてはいなかった。全力を尽くして勝ててよかった」と言う。

この1年は、試行錯誤の連続だった。「強くなるにはどうしたらいいのか、取り組んで良くなった部分もあれば、課題もある」と、自己分析する。

2回戦では、中村太地七段(31)とぶつかる。2予突破と初の挑戦者決定リーグ入りまであと2勝。「上を目指して1局1局頑張りたい」と、気を引き締めていた。【赤塚辰浩】