東京・池袋のホテルの一室で女性の遺体が見つかった事件で、警視庁池袋に殺人の疑いで逮捕された、埼玉県入間市の私立大4年北島瑞樹容疑者(22)について、大東文化大が19日、日刊スポーツの取材に応じ、北島容疑者が文学部所属の学生だと認めた。大学の関係者によると、事件が起きた12日は夏休み中で、翌13日に休みが明けたといい、同容疑者は16日午前から授業に出席していたという。

同関係者によると、北島容疑者は文学部で文学を全般に学んでおり、取得単位の不足もなかった。ゼミの担当教官も大学側の聞き取りに「ごく一般的な生徒です」と答えており、目立った問題行動などはなかったという。他の4年生の学生同様、就職活動も行っており、学校側に就職で困っているなどの相談もしていなかったという。

一方で、北島容疑者は演劇に取り組んでおり「脚本ダウンロードサービス」というサイトに登録していた形跡がある。別なサイトに作成したプロフィルには、大東文化大公認の劇団「劇団虚構」にも在籍したと記していた。ただ大学関係者によると、同容疑者は18年4月に「劇団虚構」に入部したものの、今年3月には退部したという。事件当時は「劇団虚構」に所属しておらず、個人として演劇に絡む活動を行っていたもようだ。

在籍する学生が殺人事件の容疑者として逮捕されたことを受けて、職員や学生の間でも衝撃が走っているという。関係者は「我々としても、とにかく驚いており、残念な思いです」と学内の反応を明かした。特に「劇団虚構」所属の学生は、わずか1年在籍しただけの北島容疑者のことを知らない学生も少なくない中、事件を受けて劇団の名前が思わぬ形で各所で取り上げられたことに、大きなショックを受けているという。

この日、大東文化大板橋キャンパスでは、通常通り授業が行われた。北島容疑者と同じ文学部所属の男子学生は「僕は(文学部でも)教育学科なので(北島容疑者のことは)知りません」と答えた。また別の男子学生は「ニュースを見ていません」と答えた。女子学生は「ニュースは見ましたが、逮捕された人のことは知りません」と困惑気味だった。【村上幸将】