安倍晋三首相に近い世耕弘成参院幹事長は8日の参院本会議で行われた代表質問の冒頭、身近で感じた首相の人柄などを披露して持ち上げた上で、首相の国会答弁への批判を念頭に「普段の人となりを知る者として、これほど残念でもったいなく感じることはない」と指摘、丁寧な対応をするよう要請した。

世耕氏は「外国要人との会談では、1つ1つの論点に丁寧に対応し、相手の心をわしづかみにする」「難病を経験されたからか、何ともいえない優しさを示してくれる」と強調。長年行動をともにしてきたのは「そういう総理の人柄に強くひかれた面も大きい」と、話した。

その上で、「しかし国会審議の現場では、私の知る総理とは異なった一面が、かいま見えることがある」と苦言。「安倍政権に否定的な立場の人にその理由をたずねるのですが、答弁時の居丈高な態度が気にくわない、やじにいちいち反応するところが嫌いだ、という理由を挙げる方が少なくない」と、首相の答弁態度への批判の声を紹介した。

世耕氏は「総理、これからの国会審議ではぜひ謙虚で丁寧な対応に徹していただけるよう強くお願いします」と、求めた。世耕氏が首相の人柄について語るくだりでは、野党席からはブーイングが起きた。

答弁に立った首相は「友情ゆえ、厳しいご忠告もいただいた。忠告を拳々服膺(けんけんふくよう=心に刻み、忘れないの意味)し、野党の皆様からも謙虚で丁寧な総理だと言ってもらえるよう努力したい」と、応じた。