萩生田光一文科相は1日、大学入学共通テストへの英語民間検定試験について20年度の導入延期を発表した。

受験に必要な「共同ID」の申し込み開始当日の中止発表に、実施団体からは困惑の声が上がった。ベネッセコーポレーションは「受験生が安心して臨むことができるよう、2020年度の開始に準備を進めてきたので、非常に残念に思っております」とコメントを発表。日本英語検定協会は「文科省の説明を受け、どう対応するか協議したい。受験生から既に予約金を受け取っている。どう取り扱うか、早急に決めたい。文科省には受験生が戸惑わないよう対応することを願うばかり」と悲鳴を上げた。

受験料は5800~2万5850円。50万人の受験生がリハーサルを含めて複数回受験することで100億円規模の需要が見込まれていた。それだけに影響は大きく、ベネッセの株価はこの日、73円安、日本英語検定協会から事業を受託していたエデュラボはストップ安(1000円安)となった。機材の開発、会場確保など多額の投資をしてきただけに損害賠償を求める動きも出てきそうだ。