天皇陛下の即位を披露するパレード「祝賀御列(おんれつ)の儀」から一夜明け、宮内庁の西村泰彦次長は11日の定例会見で「天皇、皇后両陛下は大変多くの方に祝っていただき、感謝しておられると聞いている」と、明かした。

パレードは10日午後、皇居から赤坂御所までの約4・6キロ、約30分間行われ、平成の代替わり時を2000人上回る、11万9000人(内閣府発表)が沿道で見守った。両陛下は、時速10キロでゆっくり進むオープンカーに乗り、沿道の声援に手を振って応えられた。

首もとに華やかなフリルがあしらわれた白のローブデコルテに身を包んだ皇后雅子さまには、あちこちから「雅子さま~」の呼びかけが続いた。雅子さまは出発後ほどなくして感極まった表情になり、目を潤ませた。涙をハンカチでぬぐわれる場面もあった。

両陛下のパレードは93年6月のご成婚以来、26年ぶり。当初は10月22日の「即位礼正殿の儀」に合わせて実施予定だったが、台風19号の被害を考慮し、延期されていた。用意された沿道の観覧ブースに入りきれない観衆も多かったが、大きなトラブルはなかった。

今後、陛下は14日夜から15日未明にかけて、皇位継承に伴う重要祭祀(さいし)の「大嘗祭(だいじょうさい)」を控えている。11日は、皇居・東御苑に建てられた大嘗宮(だいじょうきゅう)で、中心儀式「大嘗宮の儀」のリハーサルに臨まれた。リハーサルに先立ち、皇居・宮殿で新任大使の認証式にも臨んだが、車で皇居・半蔵門に入る際には、沿道の人たちに笑顔で手を振った。