釣り具の新製品トレーディングショーとして長年の歴史を持つ「ジャパンフィッシングショー」が来年から「釣りフェスティバル」と名称変更されることから、イベント内容の改革もすることになった。会期は2020年1月17日(金)から19日(日)まで。

その目玉企画として、釣り魚を対象とした料理を集めた「釣りめしスタジアム」では18店舗の出店が11月13日時点で決定している。

13日正午、その出店する7店舗が都内で報道陣向けに試食会を実施した。

釣り担当の「タコボウズ記者」こと寺沢が実食してきました。

神奈川・大船の刺身居酒屋「魚男(フィッシュマン)」では、毎朝江ノ島片瀬漁港からとれたての魚をカレーにしている。秋山純店主は同漁港市場に通ううちに定置網の手伝いをするはめになり、あることに気付いたという。

秋山店主 この市場は一般客の小売りもやっていて、さばきも請け負っている。そうすると、いろんな魚のアラが廃棄される。それと網にかかった市場に出ない小魚もうまいんです。これもタダ。その食材扱いされない魚がお宝なんです。

秋山店主はこれでなんとカレーをつくってしまった。試食会ではウミヘビとウツボからダシをとってルーをつくって、さらに冬が旬のカマスをフライにしてトッピングした。「冬が旬! かますフライの漁港カレー」だ。こくのあるカレーにフワフワサクサクのフライ。カマスに衣をまとわせるアイデアは素晴らしい。このカレー大盛りでもペロリといけそうだ。

静岡・熱海からは、国道135号沿いの名店「麺匠うえ田」がとんでもないラーメンを繰り出した。アサリと伊勢エビでダシをとって、スープは塩。京都の製麺所からツルンとしたストレート麺を取り寄せ、カモ肉あしらって、この日はトッピングされなかったが、当日はあぶったキンメダイが乗る予定だ。

澄んだ黄金色のスープはいつまでも飲み続けられそう。ここに軽く火の入ったキンメダイはさぞや…来年のフィッシングショー、ではなく釣りフェスティバルの楽しみが1つ増えた。

千葉・外房の大原漁港からは漁協婦人部が編みだした「いすみ産たこ飯」が出品される。

外房の荒波に負けない船長たちを育てたおかあちゃんの料理がそのままメニューになって夷隅東部漁協直営の食堂「いさばや」が朝市とともにオープンしている。

今回は、明石と並んで称される名物のマダコを使う。煮付けておいしく味付けされたマダコをさらに米と一緒に炊き込んだ。プリッとしたタコの食感にご飯がぴったり。

それと釣りでは外道になるサメのすり身を油で揚げた「ジアジア」。すり身を揚げるときの出来上がりの合図の音がジアジアと聞こえるところから、この郷土料理はこんな名前になった。外側がパリッ、として中身はふんわり。サメの凶暴さからは想像できない優しい舌触り。これなら3時のおやつにおじいちゃんも孫と一緒にぱくぱく食べちゃうね。

青森・八戸からは脂肪分25%のブランド「八戸前沖さば」を小口に皮付き切って、まるで焼き鳥のように食べる串焼が提供される。

通常のサバの脂肪分は12%前後といわれていて、前沖さばは、その脂肪分を分析して、とろんとした脂肪分が20%を超えないと市場に出回らない仕組みになっている。

つまり、口に入る前沖さばは常にとろんと口のなかで溶けていくような味わいしか経験できないのだ。

前沖さばの県外PRショップとして活動する「炭火焼 こっつり」の西村直剛代表はつるんとした頭をなでて「前沖さばを食べておいれば、この頭のようにつるつるですよ。お肌だけじゃなくて、男性だったらスタミナモリモリのすごいことになっちまいますよ」と、その効能について熱弁をふるった。

小口に切られているので食べやすく、しかも、脂乗りの良さとサバの持つ甘みがすぐに分かる大きさになっている。今年、関東近海ではサバがほとんど姿を見せなかったので、サバ好きにとっては見逃せない串ものになりそうだ。

東京からは中央区の勝どきの端っこで営業する「マグロ卸のマグロ丼の店」がマグロの赤身のヅケを豪快に乗せた「まかない丼」を出してくる。ひっそり営業しているが、冷凍倉庫を運営するスズヨシが社長の「中央区に海のリゾートをつくるぞ」と号令をかけてできあがった店だ。

フェスティバル当日は「海鮮丼」「中とろだけ丼」と食材に自信を持ったメニューを出してくる。

そして有楽町のガード下などで飲食店を展開する「角打」は、キハダマグロをカツにしてカレーにした。「マグロかつカレー」。カツは完全に火を入れずに、中身を半生にしているので、断面はきれいなピンク色。からすぎず、マグロの甘みを引き出すルーと絡めて口に放り込むと次のひと切れがほしくなってしまう。

来年の釣りフェスティバル、くれぐれも食べ過ぎに注意されたし。【寺沢卓】