今年10月26日に、70歳で急死した自民党の前参院幹事長、吉田博美氏のお別れの会が11日、東京・青山葬儀所でしめやかに営まれ、安倍晋三首相(党総裁)や二階俊博幹事長ら自民党幹部が参列した。

葬儀委員長を務めた首相は、弔辞の中で「吉田先生は『謙虚に、丁寧に』と、何度も耳の痛いことを率直に言ってくれた。先生にとって私は、手のかかる後輩だったと思う」と、ありし日の吉田氏との関係を語った。

また「常に縁の下の力持ちで、ひたすら無欲。人間の情に通じた、古き良き日本の美徳を体現する政治家だった」と、たたえた。

吉田氏は今年4月、脳腫瘍が見つかったことを公表。改選を迎えた7月の参院選には出馬せず、治療に専念していた。

首相と同郷の山口県出身。01年参院選長野選挙区で初当選。党の参院国対委員長などを務め、与野党に人脈が広かった。参院幹事長として党内をまとめ、その手腕に対する首相の信頼は厚く、議員引退後も党総裁特別補佐に起用されていた。