小泉進次郎環境相は17日の閣議後会見で、国連気候変動枠組み条約第25回締約国会議(COP25)の期間中、日本が「化石賞」を2度選ばれたことについて「日本国内で相当、報道があったと聞く。石炭についてここまで報じられること自体、今の日本が置かれている状況、日本が今後気候変動対策にどのように向き合っていくべきかを、国民全体が理解し、共有する点では、大変大きい」と述べ、受賞への批判を切り返した。

「化石賞」は、COP25期間中、世界の環境団体でつくる「気候行動ネットワーク」が、地球温暖化対策に消極的な国に贈ったもの。2つめの受賞理由は、進次郎氏が、演説で「脱石炭」に具体的な取り組みを示さなかったためだった。

進次郎氏は化石賞について「米国は総なめだった。ある1日は1位、2位、3位全部が米国ということもあった。日本は、総なめまではなかった」と、トランプ政権が「パリ協定」からの離脱を表明し、地球温暖化対策に消極的とされる米国と比較する形で、主張。

さらに「日本がすでに取り組んでいるフルオロ(フロン)対策は、世界の100カ国以上がまだ、やっていない。そのことについて言われないのは、おかしいと思う」と、「脱石炭」ばかりに注目が集まることに、不満をにじませた。

「化石賞を取った切り返しで、日本が『フルオロカーボン賞』を(対策を取っていない国に)差し上げましょうということを、やったらいいのではないか」「日本はなかなかそういうことはやらないが、私はやってもいいと思う」と訴えた。

COP25について「197カ国すべてとコンセンサスを得るという、根本的な枠組みの意思決定のあり方に対する難しさを感じた」と振り返った上で、日本の存在感について「発揮のしどころの可能性を感じた」と述べた。「1つのブレークスルー(局面転換)だったのは、日本が、他国が持たない数字、データを提供したこと。今まで、文言や印象、各国の感情や利害で議論がどん詰まっていたところ、実際にデータが出されたことで、空気が替わった」と強調。「日本の努力がなければ、終盤の調整は行われなかったと、断言できる。閉会時は日本への謝意が示され、私の発言にも温かい拍手が示された」との認識を示し「交渉団の努力は、日本の宝だ」と、訴えた。