20年度(21年1月)開始予定の大学入学共通テストをめぐり、民間検定試験や記述式問題の導入中止を求めてきた大学教授や予備校講師らの代表者が23日、文科省で会見し、センター試験の継続などを訴えた。

会見したのは、入試改革を考える会代表の大内裕和中京大教授や英語、国語、数学などの専門家7人。この日、文科省に対し、入試改革の抜本的再検討やセンター試験の継続を求める要望を提出。「民間試験や記述式が見送りになっても、根本的には何も解決していない」(予備校講師・吉田弘幸氏)「専門家をまじえて根本から検討してほしい」(大内氏)などと求めた。

個別の問題点として、共通テストのプレテストの内容などを例に挙げて説明。国語の紅野謙介日大教授が「プレテストではマークシートの問題も質が劣化している」、数学の予備校講師・大澤裕一氏が「数学以外の能力を問うような方向になっている」、英語の阿部公彦東大教授が「リーディング100点、リスニング100点となっているが、リスニングは差をつけにくく、望ましくない配点」などと言及していった。

また中村高康東大教授は「今回は民間試験、記述式の2本柱のほか、3本目に問題内容、4本目に主体性評価が立っていたと思うが、それらを乗せている土台がしっかりしておらず、教育のロジックに乗ってなかったのではないか。期限をきって短期的議論で収まるような話ではない」。苅谷剛彦オックスフォード大教授は「そもそも入試とは何か、というところから、考え直さなければならないのではないか」などと指摘していた。