新型コロナウイルスの集団感染が発生したクルーズ船「ダイヤモンド・プリンセス」から下船した2人の乗客が亡くなったことが20日、分かった。同日、厚労省が発表した。

船でも午後5時すぎに、船長が船内アナウンスで乗客に伝えた。

「先ほど、厚生労働省より発表があり、ダイヤモンド・プリンセスから下船をした2名のお客さまが亡くなったことが伝えられました。亡くなられた方のご家族、ご友人、皆様のことを思い、心を痛めております。(米国が本社の運営会社)プリンセス・クルーズの私たちと、ダイヤモンド・プリンセスの乗組員全てよりお悔やみ申し上げます」

ダイヤモンド・プリンセスは、乗客乗員3711人を乗せて1月20日に横浜港を出港。香港、ベトナム、台湾などを回る中、1日に香港人の男性乗客(80)が、下船した香港で新型コロナウイルスの感染が発覚した。そのため、3日に再び横浜港に戻り、大黒ふ頭沖で検疫を開始し、5日から全乗客に自室待機が命じられた。

19日に約2週間の検疫期間を終え、高齢者を中心に443人が下船したが、同日段階で新たに79人の陽性が判明。感染者は621人に上ったが、下船者から死者が出たのは初めてだった。