東京都の小池百合子知事(67)は8日、動画配信で、緊急事態宣言を受けて、国との調整がつかず、都の方針が決まっていない施設の使用制限について「都民の皆さんや事業者の多くの方々に、使用の制限をご理解いただける可能性が高いもの、と確信している」と話した。

施設の使用制限について「東京都医師会や医療関係者、経済専門家からさまざまな意見をいただいている」と紹介。「感染状況を踏まえると、外出自粛と使用制限を同時に進めないと、拡大防止に間に合わない」「クラスター発生源となりうる施設の制限など即刻行うべき」「経済側面から考えると、むしろ、施設使用制限に踏み切った方が効果的だ」といった内容だったという。小池氏は「外出制限に加えて、施設の制限を行うべき、といった意見をたくさんいただいていることを、あらためて申し上げます」とし、専門家からは施設の制限を意見されていると強調した。

さらに「国は当初、宣言から約2週間、まず様子見てから判断と伝えられておりますが、都の状況は重大局面ということには変わらない。都としてできるだけ、使用制限の基準を早く作り上げていきたい」と都としては一刻も猶予もならないことを示唆した。

また「使用制限をできるだけ早く行うことは、都や県の流出入の面からみても、隣接県にもプラスということもある。近隣県、仕事は東京という方の行動変容、促すことにもなる」と強調。「現在の都道府県別感染者数からみれば、必要ないとの声もある。まずは都民の命、健康第一、都の医療崩壊を招かないことを念頭に進めたい」と話した。

政府の緊急事態宣言を受け、都はすぐに施設の使用制限などを公表する方針だったが、国との調整がつかず、7日夜は休業要請リストの公表を見送っていた。

また、小池氏は8日に確認された新型コロナウイルス感染者が最多の144人で、うち、感染経路不明は95人と発表した。144人の人数について「大変残念」と話した。【近藤由美子】