安倍晋三首相の昭恵夫人が、国内で新型コロナウイルス感染が拡大していた3月中旬に、大分県を旅行していたと、16日に発売された週刊文春が報じた。

記事によると、昭恵氏は3月15日、約50人の団体ツアーとともに「パワースポット」として知られる大分県宇佐市の宇佐神宮を参拝。ツアーの主催者に「コロナで予定が全部なくなったので、どこかへ行こうと思っていた」と連絡し、参拝のみに合流したという。記事の概要は15日、先行して、ウェブサイト「文春オンライン」でも報じられた。

昭恵夫人をめぐっては、3月下旬に、アイドルなどの知人と集った桜の下での集合写真が、別の週刊誌で「花見疑惑」として報じられた。首相は国会で追及され「レストランで会合後(敷地内の)桜を背景に写真撮影をした」「花見のような宴会を行った事実はない」と釈明に追われた。ファーストレディーの危機感のなさを象徴するような報道が相次いでおり、夫である首相の責任も、あらためて問われそうだ。

昭恵夫人が旅行に出る前日の先月14日、首相は、新型コロナ感染拡大を受けた2度目の会見で「依然として警戒を緩めることはできない」と述べ、国民に自粛継続への協力を求めた。首相動静をみると、会見後、首相はまっすぐ帰宅している。夫人の動向を把握するような機会はなかったのだろうか。