東日本大震災の被災地・宮城県女川町で震災発生以来、10年ぶりに復活して海の日の7月23日に開催予定だった「第55回おながわみなと祭り」が、新型コロナウイルスの感染拡大の影響で中止されることが27日、おながわ四季のまつり実行委員会から発表された。

おながわみなと祭りは、11年3月11日に発生した東日本大震災で女川町が甚大な被害を受けたため、10年の第54回を最後に中止されていた。主催のおながわ四季のまつり実行委員会は、27日付で中止する旨の文書を発表した。

「10年ぶりに復活する女川町夏の風物詩を、町民のみなさまはじめ多くの方々にお楽しみいただきたく、開催に向け鋭意準備を進めてまいりましたが、政府からの緊急事態宣言発令ならびに宮城県内および周辺地域の感染者増加傾向などを受けて、数多くの来場客が見込まれる行事の性格上、祭り参加者ならびに観覧いただくみなさまの安全が確保できなくなることが想定されることから、中止はやむを得ないとの判断をいたしましたので、お知らせいたします」

おながわみなと祭りの復活は、19年12月16日の女川町議会定例会一般質問で女川町が明らかにしていた。7月23日午前10時から午後4時まで、女川町海岸広場周辺で開催予定で、海上花火や、海上獅子舞、ステージショーなども計画されていた。

新型コロナウイルスは、東日本大震災発生から9年が経過した東北の被災地の、復興への歩みにも影響を及ぼしている。