新型コロナウイルス感染拡大防止へ、ステイホーム週間と位置付けられた大型連休の後半5連休が2日、始まった。列島全体が初夏のような陽気となったが、例年なら混み合う交通機関や観光地は軒並み閑散。神奈川県では、携帯電話各社の災害情報などを知らせる「緊急速報メール」で「GW(ゴールデンウイーク)はがまんウイーク」と呼び掛ける知事名のメッセージが流れ、県民は一時混乱。緊急事態宣言下の異例の連休を象徴する動きだった。

   ◇   ◇   ◇

神奈川県は2日午前、緊急速報メールを利用して「GWはがまんのウイークです」などとするメッセージを発出した。外出自粛の徹底を広く求める目的だったが、普段は地震などの災害情報を伝える際に利用される手段でもあり、県民はビックリ。「全く緊急の必要がない」などの批判が寄せられ、県はホームページ(HP)で説明に追われた。

新型コロナウイルス感染拡大を受け、携帯電話各社は緊急速報の対象に「新型インフルエンザ等対策特別措置法に基づく感染を防止するための外出自粛要請」を加え、知事の利用を可能にした。そこで同県は、黒岩祐治知事のメッセージで「GWはがまんのウイークです」と強調。例年は帰省やレジャーを楽しめるとした上で「今年だけは違います。今は神奈川に来ないでください。今は神奈川から出ないでください」と、県民に呼びかけた。

しかし、緊急速報での自粛要請。SNS上では「しゃれを流すためか」「地震かと思ってビックリして跳び起きた」「県民に神奈川に来るなと言っても意味がない」などの声で、一時騒然。夜勤明けの医療従事者からは「何の配慮もなく、起こされた」と嘆きの声も寄せられた。一方「パチンコ店に並んでいる人を見たら、理解できるでしょ」との見解を示す人もいた。

問い合わせが相次ぎ、県は2日午後、HPで見解を表明。「一部の外国籍の方に内容が伝わりにくく、音量に驚かれた方もいらっしゃると思います」とした上で「緊急事態宣言下にあって、県民の皆様に広く外出自粛をお願いするため発信したものです」と、理解を求めた。思わぬ反響に黒岩知事も、ツイッターで「事前にもっとお知らせしておくべきでした。驚かせて申し訳ありませんでした」と、陳謝した。【佐藤勝亮】