聖徳太子が6世紀に創建したとされる大阪・四天王寺は8日、閉鎖していた金堂や講堂などを開いた。

戦時中の空襲などをのぞき、創建以来初めて堂や塔を閉鎖していたが、境内の六時堂ではこの日、約2カ月ぶりの再開を迎え、納骨などのために、新型コロナウイルス流行前の平日に比べ約2倍の人が訪れた。

永代供養の手続きに訪れた70代女性は「納骨する人が多かった。早い人は8時から並んでいたみたい。(営業自粛で)長いこと仏さんを粗末に扱うわけにはいかないから」と語った。

1400年以上前に建立された同寺は、疫病がはやる度に助けを求めて多くの人が訪れていた。だが、医学の発達で「接触しないことが重要」として、初の閉鎖に踏み切った。参詣課の川辺啓法さん(35)は「お寺としては苦渋の決断でした」と振り返った。

「3密」回避のため、堂内の換気や人数制限を徹底。五重塔は内部が狭いため、入れないようにしている。休憩所でもある和労堂や庭園の拝観再開日は未定。同寺は普段、外国人や、修学旅行生でにぎわうが、この日は閑散としていた。

川辺さんは「第2波、第3波ができるだけこないように、マスクや距離をとるようにお願いしています」と感染防止に努めながら終息を願った。【南谷竜則】