東京都議会北区補選(7月5日投開票)が26日、告示された。小池百合子都知事の元秘書でタカラジェンヌだった天風(あまかぜ)いぶき氏(35=都民ファーストの会公認)、自民党公認の山田加奈子氏(49)、東京維新・あたらしい党公認の佐藤古都氏(32)、立憲民主党公認で「筆談ホステス」として知られる斉藤りえ氏(36)、ホリエモン新党公認の新藤加菜氏(27)の女性5人が立候補した。

同補選は、元都議の音喜多駿参院議員が昨年、北区長選出馬のために辞職したことに伴い、実施される。都知事選では小池氏支援に回った自民が独自候補を擁立。立憲や、かつて都民ファで小池氏の側近だった音喜多氏が所属する維新も候補者を擁立。都民ファも6月に入って小池氏の側近を投入するなど、小池氏をめぐる複雑な人間関係が、そのまま選挙の構図に反映された形で「都知事選以上に激戦」(与党関係者)とされる。

天風いぶき氏 35歳=都民ファーストの会公認

天風氏は、赤羽駅前で第一声を行った。天風氏は、自身が母とともに、祖母の介護をしている立場で、北区の高齢者率が約25%と、23区内でもトップクラスだと話し「私自身が介護の現場で経験したことを、しっかりと政策に生かしていく」と訴えた。小池氏の元秘書であり「北区の皆様のお声をしっかりと小池百合子都知事にダイレクトに、届けることをお約束いたします」と、都のトップとの近さをアピールした。小池氏はこの日、音声メッセージを寄せ、午後の定例会見では、「娘みたいなものです」と話した。

東京都議会北区補選の第一声を行った、都民ファーストの会公認の天風いぶき氏(撮影・佐藤勝亮)
東京都議会北区補選の第一声を行った、都民ファーストの会公認の天風いぶき氏(撮影・佐藤勝亮)

山田加奈子氏 49歳=自民党公認

山田氏は北区の王子駅前で第一声をあげた。王子駅前には、西村康稔経済再生担当相や鴨下一郎都連会長、片山さつき参議院議員、丸川珠代参議院議員、花川與惣太北区長など豪華な面々も応援に駆け付けるなど、都議補選としては異例の第一声となった。西村大臣は山田氏について「都議会で北区の代表として役割を果たしてくれる人だと思う」と太鼓判を押した。山田氏は北区で生まれ育ち、区議会の議長も務めた。「(経験を生かし)北区と東京都の幸せのために絶対選挙戦勝ち抜いていきたい」と意気込んだ。

北区王子駅前で、都議補選に向けた第一声をあげた山田加奈子氏(撮影・小早川宗一郎)
北区王子駅前で、都議補選に向けた第一声をあげた山田加奈子氏(撮影・小早川宗一郎)

佐藤古都氏 32歳=東京維新・あたらしい党公認

佐藤氏の応援に駆けつけた鈴木宗男参院議員(72)は秘書時代を含め永田町歴50年になるが記憶にない候補者5人が全員女性という選挙戦。赤羽駅東口で出陣式を行った佐藤氏は「都議会議員補欠選挙って地味だと思うんですけれども、全国から注目が集まっております」と声を上げた。音喜多氏が佐藤氏を「後継者」としてサポートするが、音喜多氏と都民ファーストの因縁に加え、斉藤氏とは元「日本を元気にする会」の同志という因縁もある。佐藤氏は「音喜多憎しの構図だと、そんなことまで言われております」と口にした。

鈴木宗男氏とシュプレヒコールをあげる佐藤古都候補
鈴木宗男氏とシュプレヒコールをあげる佐藤古都候補

斉藤りえ氏 36歳=立憲民主党公認

東十条の事務所前で第一声を上げた斉藤氏は区内を練り歩いた後、赤羽駅東口で都知事選候補の宇都宮健児氏、立憲民主党の蓮舫副代表、共産党の小池晃書記局長と合流。「声が聞こえない私だからこそ聞こえる声があります。1人1人の声を丁寧に拾い上げ、誰ひとり取り残されない東京をつくっていきたい」と訴えた。10年の参院選東京選挙区で戦っている小池氏と蓮舫氏(蓮舫氏がトップ当選、小池氏は落選)が同じ選挙カーの上に立つのは初めて。小池氏は「斉藤さんにみんなの声を聞いてもらいましょう」と呼びかけた。

都知事選候補の宇都宮健児氏と赤羽駅東口で手を振る斉藤りえ氏
都知事選候補の宇都宮健児氏と赤羽駅東口で手を振る斉藤りえ氏

新藤加菜氏 27歳=ホリエモン新党公認

新藤氏は26日午前、JR王子駅前で街頭演説をスタートさせた。「女性5人の戦いで唯一の20代です。私が1番若い。こんなチャラチャラしてて、何ができるの? と取られるかも知れませんが誰よりも政治を考えていると自負しています」と第一声で気勢を上げた。ライブ配信業などを行う新藤氏は「本当の意味での政治のIT化、インターネットの活用をガンガン進めていきたい」と訴え、「政治家のおじいちゃん、おばあちゃんたちはUSBメモリーや、サーバーとクラウドの違いも分かっていない」と痛烈に皮肉った。

北区補選 新藤加菜氏(ホリエモン新党公認)
北区補選 新藤加菜氏(ホリエモン新党公認)