新型コロナウイルス感染症の拡大で「新しい生活様式」が求められる中、ロボットが私たちの生活に溶け込み始めている。

12日、都内で出前や警備の任務を担うロボットの実証実験が行われた。人手不足解消や対面による感染リスクの軽減など、目的はさまざまだが、実用化も遠くなさそう。ウィズコロナの世の中では「ウィズロボット」の生活も、珍しくなくなる? 

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自動運転ロボットによる無人デリバリーサービスの実証実験が12日、東京・港区のJR高輪ゲートウエイ駅前特設広場で行われた。自動運転ロボットなどの開発を行う「ZMP」が実用化を目指す無人配達ロボット「デリロ」による「コロナ時代の出前システム」を実演した。特設広場内のそば屋に注文を入れると、店舗前まで自動で移動し、商品を受け取って1周約150メートルの広場通路を時速約4キロで移動し、注文者のテーブルの前でぴたりと停止した。料金はスマホなどでキャッシュレス決済し、人やお金との接触を減らす。ZMPの西村明浩取締役は「屋内やイベントスペースでの運行は実用レベルに達している」と明言した。

電動式の「デリロ」は約1時間の充電で4時間~6時間の稼働が可能、最高時速は6キロ、最大積載量は50キロ。人を認識し、人の接近を感知すると自動停止し、「人の急な飛び出しにも対応して自動停止する」(西村氏)。JR東日本は7月から新型コロナウイルス対策として高輪ゲートウェイ駅の構内でZMPの無人警備・消毒ロボットの実証実験を実施中。感染リスク回避、人手不足の解決策としても期待されている。【大上悟】