株式投資で30万円を1億円にした元サラリーマンのマル秘テクニックの「実践編」。みなさんは、良かれと思ってしたことが裏目になったことってないですか?

先日、冷蔵庫に期限切れの食材を見つけて整理したら、嫁さんにすごく怒られてしまいました。嫁さんが言うには「期限切れでも冷蔵庫にあると安心する」そうです。こちらは喜ぶと思ってしたことなのですけどね(笑い)。

株式相場にも「良かれと思って」と同じようなことが起こります。米国のアップル社(AAPL)が投資家に良かれと思って発表した株式分割です。1株を4分割することで株価が4分の1になり、今まで買えなかった投資家も買えるようになります。

しかしながら同時に売られる理由も出てきます。なぜならアップル社が米国ダウ指数の構成銘柄だからです。ダウ指数は30社から構成されています。この30社の株数を均等に持てば、ダウ指数を保有しているのと同じ効果が出るのです。

株式を4分割すれば株数が4倍に増えます。これで困るのはダウ指数に沿うETF(上場投資信託)などです。均等を保つためには、増えた分の株はいりません。強制的に増えた分の株を売る必要が出てきます。良かれと思って株式分割したのに、株式が売られてしまうという結果を招いてしまうのです。

おそらくアップルの株式分割直前の今月28日に強制的な売りが発生するはずです。15年3月に同じことがVISA社(V)で起こりました。その時は場中に株価がかなり下げましたが、引けには戻り、翌日以降に株価が上昇していったと記憶しています。

業績とまったく関係のない売りなので、場中で大きく下がったら買うという選択肢もありですね。こういった値動きを狙い撃ちするのも株式投資の面白みの1つです。

◆夕凪(ゆうなぎ)1967年(昭42)、新潟県生まれ。電気通信大卒。大手IT企業に勤めながら04年に30万円から始めた投資資金で億超えを達成。12年に退職し、専業投資家の道を選ぶ。「イベント投資」の名付け親。ツイッターのアカウント「夕凪」で投資情報を随時更新中。著書に「スタバ株は1月に買え!」(東洋経済新報社)。