安倍晋三首相は24日、東京・信濃町の慶応大病院を2週連続で訪れ、治療に当たった。「追加的な検査」と説明したが、詳細な内容を求める質問に応じず、永田町では「健康不安説」が拡大。今後も通院が続くとの見方があり、健康問題の表面化による求心力の低下も避けられない。来月予定される内閣改造や自民党役員人事に踏み切れるかが、今後の焦点だ。この日連続在職日数が2799日と歴代単独1位になったが、歓喜なき節目の日となった。

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安倍首相の持病、潰瘍性大腸炎とは、どんな病気なのだろうか。医学ジャーナリストの松井宏夫さんに聞いた。

潰瘍性大腸炎は大腸の粘膜に炎症が起き、「びらん」や「潰瘍」などができる病気で、腹痛、下痢、血便などの症状があります。症状が出る活動期と、症状を感じない寛解期を慢性的に繰り返します。原因は分かっていませんが、免疫異常が関係しているとみられています。

治療は一般的に、5-アミノサリチル酸製剤、ステロイドなど薬物療法が中心です。効果がない場合は、免疫抑制剤を使ったり、白血球除去療法が行われることもあります。これらの内科的治療で改善しない場合は、大腸を摘出する手術が検討されます。