安倍晋三首相の後継を決める自民党総裁選に、岸田文雄政調会長(63)が1日、出馬を表明した。「大変厳しい道のりを感じていますが、国民のため、国家のため、私のすべてをかけて、この戦いに臨んでいきたい」と意気込みを語った。

岸田氏は目指すリーダー像について「新型コロナウイルス対策1つを取っても、国民の皆さんの協力がなくてはならない。国民の協力を引き出せるリーダーを目指していきたい。まずは政治の信頼が大事。国民の声を丁寧に聞く。人の声を聞く力も政治に求められると思う」とした。さらに「私がこれまで歩んできた経歴、政治におけるさまざまな努力を振り返る時に、他のさまざまな方と比べても、遜色ないしっかりとした力を発揮できるのでは。それを国民の皆さんに示していきたい」と、リーダーとしての自信をのぞかせた。

岸田氏は新型コロナウイルス対策を第一に上げながらも「経済成長を実感できないとの指摘もある。格差の中で子供の貧困などといった課題もある。こういった時代にもしっかりと立ち向かっていかなければならない。安倍政権時代の成果を高く評価しなければならないが、新たに浮かび上がった課題に取り組まないといけない」とした。

総裁選の進め方については「緊急の場合においては、両院議員総会で決定することができる党則になっている。両院議員総会で決めることは党則に基づいたものであります」とする一方、「なぜ緊急事態であり、なぜそういう対応を取ったのか、しっかりと説明し尽くしていないから、国民の中からおかしいのではないかといった声も出るのでは。しっかりと説明することが、大変重要なのではないか」と強調した。