野口聡一宇宙飛行士(55)が10日、3度目の宇宙挑戦へ向けて米フロリダ州のケネディ宇宙センターからオンライン会見を行った。

野口氏は日本時間15日午前9時49分、初の民間宇宙船スペースX社の「クルードラゴン1号機」に搭乗、国際宇宙ステーション(ISS)で約半年間の長期滞在へ飛び立つ予定だ。野口氏は「また、この日がやってきたな、と。独特の緊張感がある。小学生が運動会の前に眠れないのと同じような、わくわく感もある」と意気込みを語った。

野口氏は2005年の初飛行がスペースシャトル(米)、09年はソユーズ(ロシア)で、今回と3機種目だ。「3種類の違う宇宙船で挑戦できるのは宇宙飛行士冥利(みょうり)に尽きる。全集中で頑張りたい」。大ヒットアニメ「鬼滅の刃」から「全集中」のセリフを拝借。「娘の影響で見ています(笑い)。すごく面白いと思います。(作品のように)仲間と一緒に力を合わせて、全集中で臨みたい」と笑い飛ばした。

スペースX社の宇宙ロケットはトラブルで開発が遅れ、10月31日に予定された最初の打ち上げはロケットエンジンの不具合で延期されたが「挑戦することで得られる成長があることが恐れを上回っている」。初の民間参入による宇宙ベンチャーの幕開けに臨む。【大上悟】