千葉県館山市は18日、食のまちづくり拠点施設の整備と館山産ジビエのブランド化に取り組むためのジビエ加工処理施設の整備に、ZOZO創業者でスタートトゥデイ社長の前澤友作氏(44)が、19年にふるさと納税した20億円で設立した「前澤友作館山応援基金」を活用すると発表した。

同基金からは

<1>館山市が進める食のまちづくり拠点施設などの整備において、指定管理を担う民間事業者公募などに係る経費及び専門コンサルタント支援業務委託など、同拠点施設の整備に関連する経費

<2>ジビエ加工処理施設の整備。食肉の供給だけではなくハンターやジビエ加工処理技術者など有害鳥獣対策の担い手を育成する機能も持たせ、令和3年11月頃の稼働を目指し、令和5年度に開業を予定する食のまちづくり拠点施設などへのジビエの安定供給やブランド力アップを図っていく。

ために、合計で6億5000万円を拠出する予定だ。

食のまちづくり拠点施設は、同市稲の市有地を中心とした敷地に農水産物の直売、加工、飲食、情報発信や、体験もできる施設を道の駅として整備するもので、民間事業者が市の資金で設計、建設から運営、維持管理までを一括して行うDBO方式(デザイン・ビルド・オペレート方式)で実施する事業。21年2月初旬の募集要項公表・民間事業者の公募開始を予定し、同5月初旬の事業者決定を経て、令和5年度の開業を目指すとしている。

館山市は、食のまちづくりとの両輪で館山産ジビエのブランド化も進めていく。イノシシを中心とした有害鳥獣対策が昨今、深刻さを増す中、捕獲されたイノシシなどを処理する有害鳥獣処理施設と、食肉として有効活用できるジビエの加工処理施設を整備し、有害鳥獣対策との対応を図っていく。有害鳥獣処理施設の整備は国庫補助事業での対応を計画し、令和3年度当初予算に設計費の計上を予定、令和4年度に施設整備、令和5年度の開業を目指す。

有害鳥獣処理施設とジビエ加工処理施設の整備場所は近接性を配慮し、有害鳥獣処理施設が同市出尾野の衛生センター敷地内を、ジビエの加工処理施設が衛生センターに隣接の旧収集管理センター建屋の一部を予定している。

これまで「前澤友作館山応援基金」からは、新型コロナウイルス感染拡大に関わる館山市独自の緊急経済対策で6億1880万円、館山夕日桟橋機能強化事業で810万6000円が拠出されてきた。食のまちづくり拠点整備事業への6億5000万円(現在実施中の公募要項策定支援業務委託料198万4000円を含む)との合計で、ここまでの拠出総額は12億7690万6000円となる。

なお、食のまちづくり拠点施設整備費及びジビエ加工処理施設整備費は、12月の同市議会の債務負担行為予算案に係る議決と、設計や建設などの事業実施年度における予算案の議決を得て確定となる。また、有害鳥獣処理施設整備設計費は、21年3月市議会の令和3年度当初予算案の議決を得て確定する。