自動運転の消毒ロボットによる実証実験が19日、東京・新宿の地下街「新宿サブナード」で行われた。

実験に使用されたのは6月に内閣府でもデモ走行を行った「パトロ」(ZMP社)。JR高輪ゲートウェイ駅などでも実証実験を済みだが、多くの人が行き交う営業中の地下街で実施するのは初の試みだ。

「パトロ」はプログラム通りに消毒用の次亜塩素酸水をドアノブや床に噴霧した。全方位カメラやセンサーで人を感知して自動停止したり、障害物を自動回避する。最大速度は6キロで1時間の充電で2~6時間の稼働が可能だ。「実用化レベルに達している」(ZMP龍健太郎ロボライフ事業部長)。

JRや私鉄、地下鉄各線の新宿駅と直結する新宿サブナードの延べ床面接は約1万平方メートルで、1日平均2万~3万人が利用する。「パトロ」には遠隔操作で監視する巡回警備の機能もあり24時間態勢で運用でき、人的労力やコスト、感染リスクを大幅に軽減することが可能だ。コロナ禍が全国に拡大する中、多くの人が行き交うターミナル駅や空港、学校、病院、介護施設、オフィスビルなどで消毒ロボのニーズは幅広い。【大上悟】