東京都は26日、新型コロナウイルス新規感染者が481人報告されたと発表した。重症者は前日から6人増の60人。緊急事態宣言解除後最多を更新した。都は新型コロナウイルス感染症モニタリング会議を開催。専門家は「急速に感染拡大しており、通常の医療が圧迫される深刻な状況が目前。その前に感染防止対策を講じる必要がある」と危機感をあらわにした。

専門家は新規感染者数について現在の増加比が4週間継続すると、1日あたり約2・3倍の約920人発生するとみている。東京都医師会の猪口正孝副会長は「今もずっと増えている。重症者はこれから増える」。国立国際医療研究センターの大曲貴夫国際感染症センター長は「重症化リスクの高い高齢者の陽性者数が増えている」とそれぞれ懸念を示した。経路不明者は現在の増加比が4週間継続すると、経路不明の新規感染者数は1日あたり600人発生するとみている。

都では感染状況を4段階のうち最高レベルの「感染が拡大している」、医療提供体制を上から2番目の「体制強化が必要である」としている。猪口氏は都の医療提供体制引き上げ基準について「国と都の基準を比べると実態が違うところがある。(都の)実態を見ながら、決めていきたい」と話した。小池百合子知事は「これ以上の感染拡大を食い止めるためには、まずできるだけ、不要不急の外出をやめていただきたい。また、テレワーク実施率が下がってきている。あらためて進めていただきたい」と、厳重警戒を呼び掛けた。【近藤由美子】