渡辺明王将(36=名人・棋王)への挑戦権を目指す、将棋の第70期王将戦挑戦者決定リーグ戦プレーオフ、豊島将之竜王(叡王=30)対永瀬拓矢王座(28)戦が30日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。午前10時から始まった対局は午後7時44分、128手で後手永瀬が勝ち、初のリーグ入りで挑戦権を獲得した。同時に2日制のタイトル戦初登場を決めた。今年は棋聖戦、王位戦と立て続けに藤井聡太2冠(18)に敗れて、挑戦権を逃した。「結果が出て良かった。やっと挑戦権がつかめた」と、うれしそうな表情を見せた。

敗れた豊島は、「リーグ5勝が目標だった。そこそこやれた。来期頑張りたい」と話した。

永瀬は5戦全勝でトップを走っていたが、20日のリーグ最終一斉対局で広瀬章人八段(33)に敗れた。豊島は同日4勝1敗同士の羽生善治九段(50)を下して同じ5勝1敗で並び、プレーオフに持ち込んだ。

両者の対戦成績は7勝7敗。今年の叡王戦7番勝負は、第9局までもつれて4勝3敗2持将棋1千日手で挑戦者だった豊島が永瀬からタイトルを奪った。22日の第41回将棋日本シリーズJTプロ公式戦決勝でも豊島が勝ち、優勝していた。今回は永瀬が雪辱した。

7番勝負第1局は来年1月10、11日、静岡県掛川市「掛川城二の丸茶室」で行われる。