大阪府の吉村洋文知事(45)が8日、府庁で取材に応じた。陸上自衛隊出身で、「ヒゲの隊長」で知られる自民党の佐藤正久参院議員(60)が自身のツイッターで「自衛隊は便利屋ではない」との投稿に対し、吉村知事は自身のツイッターで反論したことについて説明した。

新型コロナウイルス感染者の治療に当たる医療従事者を確保するため、吉村知事が7日、自衛隊看護師の派遣を「岸信夫防衛相に要請した」と明かしたことに、佐藤氏は同日午後、「自衛隊は便利屋ではない。それを理解した上で緊急対応の必要性から要請内容を具体化して要請するのが基本。何人でもいいからではなく、この病院に看護師約何人とか、施設消毒等具体的なものが必要。自衛隊OBが府庁にもいるはず」と投稿した。

この発言に対し、吉村知事は「便利屋と思ったことは一切ありません」と反論。要請までの経緯として「かなり防衛省と水面下で協議調整した上で要請致しました。自衛隊担当の職員も府庁内にいます。便利屋と思ったことは一切ありません。今回の派遣数や内容も確定してます。僕がメディアにむかって言ってないだけです。本日、別件で呉地方総監海将ともお会いしました。自衛隊の皆様に感謝してます」とツイートした。

この日、吉村知事は「僕が自衛隊を便利屋のように思っているツイートだったので、それは違いますよと申し上げただけです」と反論の理由を説明した。

「佐藤議員ではなく、僕らは自衛隊にお願いしている側なので、どういう思いで要請しているのか、誤解があってはいけない。きっちり、考え方をお伝えしたほうがいいと思い、ツイートしました」と述べた。

医療体制が逼迫(ひっぱく)する中、吉村知事への風当たりも強まっている。「いま、いろんな批判があるが、僕は当然、受けます。ネット上の1つ1つの意見に個別の反応することはないが、(便利屋との)意見についてはきっちり伝えたほうがいいと思った」と強調した。