今年の政界は波乱含みだ。菅義偉首相は内閣支持率が急落し、安定した政権運営は見通せない。そんな中で必ず訪れる最大の政治日程が、衆院解散総選挙。衆院議員の任期10月21日までに行われるが、首相がいつ解散に踏み切るのか、まだ不透明な面が大きい。

新型コロナウイルス対策での迷走、安倍晋三前首相の「桜を見る会」問題や、吉川貴盛元農相ら自民党議員の「政治とカネ」など、問題は山積。18日召集の通常国会では、早くも露呈した首相の「説明べた」を、野党が集中攻撃しそうだ。

ここにきて与党には新たな不安材料も出てきた。吉川氏の辞職に伴う衆院北海道2区、立憲民主党の羽田雄一郎参院議員の死去を受けた参院長野選挙区で、4月に2つの補欠選挙が行われる。北海道は「政治とカネ」、長野は「弔い選挙」でいずれも自民党には不利。2補選で自民2敗なら菅首相の求心力低下は必至。衆院選の顔にならないとして、「菅おろし」が早々に起きる可能性も、自民党内でささやかれている。

2補選に衆院選をぶつける案もあるが、選挙は新型コロナ感染の収束が大前提だ。7月の東京都議選前後の選挙は公明党が慎重。東京五輪・パラリンピックや自民党総裁選の時期も絡み、秋の解散総選挙にずれ込む可能性も。自民党は衆院選を菅首相で戦えるのか。