日刊スポーツでは「パワーアップ2021 上向きニュース21選」と題した企画で、気持ちが高まるパワーアイテム、ワード、スポットなどを紹介しています。第3回は「金メダルのまち」と称される愛知県大府市共和町。1年延期となった東京オリンピック(五輪)・パラリンピック開幕まで半年。ゆかりのある選手の金メダル獲得数は、全国最多!?の、計14個だ。

JR共和駅を降りると“神様”が現れた。「共和の金ちゃん」がド~ン。レスリングのユニホーム姿、胸には大きな金メダル。髪には五輪色を配してオシャレだ。女子レスリングで五輪3連覇の「霊長類最強女子」吉田沙保里(38)がモデル。吉田や伊調馨(36)の母校で練習拠点だった至学館大がある「まち」だ。

駅から徒歩数分。地元では「金メダル神社」と呼ばれる「八ツ屋神明社」が“聖地”となる。普段は宮司もいない小さな神社だが、勝利の神様の後押しを受けようと、全国から参拝客が訪れる。至学館大の必勝祈願も恒例。近くに住む70代男性は「金ちゃんかわいいでしょ。パワーもくれるし、コロナも吹っ飛ばしてほしいよね。東京五輪も、祈願した選手から金メダリストが誕生するよ」と笑う。

主祭神は天照大神で伊勢神宮内宮が総本社。江戸時代の1650年創建と歴史も古い。柔道のバルセロナ五輪金メダル吉田秀彦を生んだ大石道場もある。

神社内では多くの「金ちゃん絵馬」が成就を待つ。東京五輪金メダル候補の「ポスト吉田」向田真優(23)、リオに続く連覇を狙う土性沙羅(26)は、そろって「東京オリンピックで金メダル!」。吉田も「良い縁がありますように!」と記した。新型コロナとの闘いに勝てますように、そして東京大会が開催できますように-。お願い、金ちゃん!【鎌田直秀】