<帰還困難区域の今後>

東京電力福島第1原発事故による避難指示で「帰還困難区域」になっている地域は福島県の飯舘村、南相馬市、浪江町、大熊町、双葉町、葛尾村、富岡町の7市町村にまたがる。大熊町で19年4月、ごく一部ながら大川原地区と中屋敷地区が復興拠点として指示解除。東京オリンピック(五輪)聖火リレーを前にした20年3月、双葉町の双葉駅周辺などが解除された。

国は20年12月、除染なしでも避難指示を解除できるようにした。早期解除を求めた飯舘村の要望もあった。また、国は南相馬市以外の6町村の一部を除染して23年春の解除を目指す特定復興再生拠点を定めた。一方、浪江町、双葉町、大熊町、富岡町と葛尾村の5町村は拠点以外の地域についても、従来通り除染した上での解除を求める。国が定めた各自治体のほんの1割に満たない特定復興再生拠点以外の大部分の帰還困難区域については、解除の方針は示されておらず、いまだに除染の計画すらない。