西山朋佳女王(女流王座・女流王将=25)への挑戦権を争う、将棋の第14期マイナビ女子オープン挑戦者決定戦、塚田恵梨花女流初段(22)対伊藤沙恵女流三段(27)戦が15日、東京・千駄ケ谷「将棋会館」で行われた。午前10時に始まった対局は、午後2時51分、110手で後手伊藤が勝ち、この棋戦の初挑戦を決めた。一方、父で師匠の塚田泰明九段(56)に続く、塚田の将棋界初の親子タイトル戦登場は持ち越された。

終局後、伊藤は「このところ挑戦者になることすら厳しかったので、うれしいです」と話した。過去7回タイトル戦には登場しているが、すべて敗れている。

今回は、女流のタイトルを里見香奈清麗(女流名人・女流王位・倉敷藤花=28)とともにタイトルを二分する、プロ棋士養成機関「奨励会」三段の西山との初顔合わせ。「久しぶりのタイトル戦で悔いの残らないよう、楽しみながら指せれば。西山さんとは何度か対戦したことがあるし、振り返りながらこれから対策を準備したい」。元奨励会員(14年9月に1級で退会)の伊藤が頂上対決でどれだけ通用するか。無冠返上に向けて、思い切りぶつかるだけだ。

タイトル戦5番勝負第1局は4月6日、神奈川県秦野市「元湯 陣屋」で開幕する。