東京・池袋の都道で19年に乗用車が暴走し、松永真菜さん（当時31）と長女莉子ちゃん（同3）が死亡した事故で、真菜さんの夫の松永拓也さん（34）が、事故から丸2年を迎えた19日、現場前の豊島区東池袋の日出町第二公園に建立、設置された慰霊碑に花を手向け、報道陣の取材に応じた。

事故から丸2年のこの日、慰霊碑の前には献花台が設けられ、親子連れをはじめ多数の人々が足を運び、手を合わせて献花した。それらの花や供物などで献花台はいっぱいになった。松永さんは「本当に献花してくださる方、祈りをささげてくださる方には、心から…言葉に出来ないくらい感謝の念に堪えないです」と感謝した。

その上で「しょっちゅう、慰霊碑に来る度に花が手向けられていて…2年たっても、なおですよね。足を止めて、お祈りしてくださる方を見てきて…今日も、たくさんの献花。出来ることなら、皆様1人1人にお礼を言いたいくらい。だから（献花を）してくださる方々を見ると、その方々の当たり前の日常、命、幸せを奪われないような社会にしたい。活動を通して社会に返していきたい」と、交通事故撲滅の活動を通して、恩返ししていきたいと誓った。そして「交通事故撲滅と口では言いますけど、難しいことは重々分かっています。簡単なことじゃないし、そんなこと出来るわけないだろという人もいらっしゃるかも知れない。でも、僕は出来ると信じています。生きているうちは無理かも知れないけれど、いつか、そういう未来が来ると思っています」と訴えた。

この日、娘を連れて慰霊碑を訪れた女性は「毎日のように、ここを通るので、通った日には、いつも手を合わせています。同じ年頃の娘を持っているので、忘れられない」と語った。その上で「（亡くなった）娘さん、奥様もそうですけれど、やっぱり残された松永さんの、お気持ちを考えるとつらい」と続けた。

松永さんが慰霊碑に手を合わせたり、献花を続ける人々への感謝の念を口にしていたと伝え聞くと「娘の幼稚園が（現場に）近いもので、私もトラウマみたいになっているところがあります。毎日、思い出します。時間がたって癒えるような痛みではないので、松永さんの心が心配」と松永さんを気遣った。