東京都の小池百合子知事(68)は28日、都庁で定例会見を行い、緊急事態宣言発令後の都内の状況を受けて悲痛な思いを言葉にした。最重要視した人の流れの抑制が十分でないことに加え、酒類提供を中止している飲食店で客の酒類持ち込みを了承している店舗なども出てきたことに「趣旨は拡大させないように、断腸の思いならぬ断酒の思いでお願いしているのですから、おやめいただきたい」と吐露。人の流れに関しても「東京から出ないでください。東京にも来ないでください」とあらためて呼び掛けた。

この日、東京都では925人の新規感染者を確認するなど、大型連休を前に1000人迫る勢いが続いている。「このままの状況が続くとゴールデンウイークの期間を過ぎても感染者数の増加が続くことになり、感染爆発を迎えるかもしれない」と状況を伝え、「明日からは大事な1週間。爆発的な感染拡大を阻止出来る重要な分岐点でありターニングポイント」と危機感をあらわにした。

同日の東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議でも、関西圏で拡大していた「N501Y」変異株が東京都でも全体の59・6%に達していることを報告された。先週からは比率倍増。このまま変異株がまん延すれば1日の新規感染者2000人、入院患者数6000人達する推定も示された。【鎌田直秀】