藤井聡太王位(棋聖=18)への挑戦権を目指す、将棋の「おーいお茶杯第62期王位戦」挑戦者決定戦、羽生善治九段(50)対豊島将之竜王・叡王(31)戦が24日、大阪市「関西将棋会館」で行われた。

対局は110手で豊島が勝ち、挑戦権を獲得した。タイトル獲得通算100期目を目指す羽生の、昨年秋の竜王戦以来のタイトル戦登場はならなかった。

敗れた羽生は終盤、劣勢を意識して右手で頭をかきむしりながら指し手を考える。最後は、攻防ともに見込みなしと判断したか投了して、じっと首をうなだれていた。終局後、「2筋の歩の突き捨てが問題だったのかもしれない。作戦の組み立てに問題があったような気がします。ちょっとずつ攻めが細くなり、苦しくなってしまった」と絞り出した。

今回の挑戦者決定リーグ白組では、永瀬拓矢王座に敗れたものの、長谷部浩平四段、池永天志五段、近藤誠也七段、佐々木大地五段と若手を下して、4勝1敗のトップ。紅組を4勝1敗で制した豊島との決定戦に勝ち上がった。「どの対局も大変だった。そういう意味では充実したリーグだった」。まだまだ、タイトル戦の挑戦者争いに絡んできそうだ。