18日午前、札幌市東区の住宅街でクマの目撃情報が相次いだ。クマは40代から80代の男女4人を襲い、重軽傷を負わせたがいずれも命に別条はない。この影響で札幌市東区の小学校9校と北区の小中学校それぞれ1校の合わせて11校が臨時休校になったほか、丘珠空港では約3時間滑走路が封鎖されるなどの影響が出た。

ヒグマに詳しい北海道立総合研究機構の間野勉専門研究主幹によると「今回のクマは札幌の北隣に位置する石狩市や当別町の山から南下してきたのではないか」と推測する。札幌の市街地でクマが出没するのは珍しいが、生息数は年々増えており「今後も出没する可能性がある」と注意を呼びかけた。万が一、クマに遭遇した場合は「背中を見せず、後ずさりで距離を取ることが重要」と言う。本能的に背中を見せると襲ってくる習性があり「走って逃げようとしてもウサイン・ボルトでも勝てません」と警告する。

クマはその後も住宅街や車道を駆け回り、陸上自衛隊丘珠駐屯地近くの茂みに逃げ込んだが、午前11時15分ころ地元猟友会により駆除された。