将棋の最年少タイトルホルダー、藤井聡太棋聖(王位=18)が現役最強とされる渡辺明名人(棋王・王将=37)の挑戦を受ける、「第92期ヒューリック杯棋聖戦5番勝負第2局」が18日、兵庫県洲本市の「ホテルニューアワジ」で行われ、先手の藤井が渡辺を破り、連勝で史上最年少防衛と史上最年少九段に王手をかけた。第3局は7月3日、静岡県沼津市「沼津御用邸東付属邸第1学問所」で行われる。

戦型は第1局と同じ相掛かりとなった。序盤から激しく駒がぶつかった第1局とは異なり、中盤戦はじりじりした「心理戦」が繰り広げられた。持ち時間各4時間。藤井は中盤に入るまで3時間以上、惜しみなく時間を使った。一時は渡辺との持ち時間で1時間以上の差が開く。“魔王”と呼ばれる渡辺の巧妙な手で、ミスを引き出す「時間攻め」だった。

残り時間は5分。ここから藤井は最善手を連発し、優勢に持ち込んだ。最終盤、持ち前の終盤力で攻め合いを制した。現役最強の挑戦者から連勝し、タイトル初防衛を視界にとらえた。