豊島将之叡王(竜王=31)への挑戦権を争う、将棋の第6期叡王戦本戦トーナメント準決勝、藤井聡太棋聖・王位(18)対丸山忠久九段(50)戦が22日、都内で行われた。

午前10時に始まり、午後4時7分、87手で先手藤井が快勝。26日に同所で行われる斎藤慎太郎八段(28)との挑戦者決定戦に進出した。叡王戦での藤井の挑決進出は初めて。

対局は、丸山の得意戦法である一手損角換わりに対し、積極的に踏み込んだ。鮮やかな指し回しでリードを広げ、丸山を投了に追い込んだ。両者は昨年7月の竜王戦決勝トーナメントで初めて対戦し、丸山が勝っている。大事な一番で雪辱した。

叡王戦は17年の第3期、18年の第4期は本戦入りしているが、初戦で姿を消している。19年の第5期は七段予選初戦で村山慈明に敗れた。

藤井は今期、八段予選で長沼洋、師匠の杉本昌隆、広瀬章人を撃破。2期ぶりに16人による本戦(内訳は四・五段予選は各1人、・六・七段は各2人、八・九段各3人の計12人と、シードで前期ベスト4の渡辺明名人、佐々木大地五段、青嶋未来六段に、前期叡王の永瀬拓矢王座)へと勝ち上がった。こちらはは行方尚史九段、永瀬王座を倒してベスト4に勝ち上がった。

現在、棋聖戦5番勝負で挑戦者の渡辺明名人(棋王・王将)相手に2連勝。第3局(7月3日、静岡県沼津市「沼津御用邸」)に勝てばタイトル初防衛を果たすと同時に、最年少での九段昇段となる。来週29日には王位戦7番勝負第1局(30日までの2日制として名古屋市「名古屋能楽堂」で開催)で豊島の挑戦を受ける。このほか、竜王戦の決勝トーナメント入りし、初戦で山崎隆之八段とぶつかるなど、多忙な日々が続く。

挑決で待ち受ける斎藤は、先月まで名人戦に挑戦していた。藤井は18年の叡王戦本戦1回戦で黒星を喫している。今度こそ倒して、豊島への挑戦権を獲得するとともに、3冠を目指したい。